タッチパネル化は致命的になる

タッチパネル化は致命的になる

2019年8月15日

先日久しぶりに
ある大手定食チェーン店に行きました。

私が東京に住んでいた学生時代に
よく行っていた定食チェーン店です。

大阪にも店舗があったので、
そのお店に行って
入口を入ると、
女性スタッフと目が合ったにも関わらず、
「いらっしゃいませ」の一言がありませんでした。

そして、第一声が
真顔で
「空いているお席にどうぞ」でした。

寂しいですねー。
「いらっしゃいませ」も
言えないお店です。

そして着席すると、
目の前にはタッチパネル。

注文はすべてタッチパネル注文となっています。

そこで注文をし、
しばらくして
料理が提供されます。

そして食事してお会計。

レジに誰もいないので、
呼び鈴を鳴らしてスタッフを呼びます。

お会計だけでお見送りはなし。

何とも味気ないお店でした。

食事して帰る。
ただそれだけのお店でした。

わざわざ飲食店で食事をしたのに、
接客サービスはほぼ無かったのです。

しかし、最近はこんな味気のない
飲食店が増えています。

接客サービスがほぼ無い。
ついでに売場の雰囲気も魅力がない。

料理を食べるだけの飲食店です。

飲食店の価値とは何なのか?

美味しい料理はもちろん、
そこにいるだけで興奮する売場があり、
お客様を楽しませる接客サービスがある。

そのお店で食事をすることが楽しい。
一番身近なレジャー。
仲間とまた来たい。

それが飲食店の価値だと考えています。

ですから、私のクライアント先には
こんな味気のない飲食店はありません。

こんな味気ない飲食店が増えている理由、
その背景には、人手不足、省人化の流れがあります。

多くの飲食店が手を出してしまうのが
タッチパネルの導入です。

これが実は悪循環のはじまりです。

タッチパネルを入れてしまうと、
スタッフの意識の中で
サービスはしなくても良い。

自分たちの仕事は
料理を運ぶだけで良いという意識が芽生えます。

その結果、笑顔もなくなり、
いらっしゃいませもなくなる。
もちろんお見送りもなくなる。

運ぶだけのホールスタッフができあがります。

新しく入ったスタッフも
先輩スタッフに染まっていくので、
結局この負のスパイラルから抜けることはできません。

これが今の飲食店の大きな悪い傾向です。

お客様は胃袋を満たすためだけに
飲食店にいく訳ではありません。

それならコンビニのお弁当やおにぎりで十分です。

飲食店としての価値を忘れてはいけません。

ですから、私たちはあくまで
売上アップ、利益アップからの
時給アップ、待遇改善。
人材が来る会社、お店を目指すべきなのです。

ですから、タッチパネルは導入してはいけません。

もしタッチパネルを既に導入してしまっていたら、
その分ホールスタッフの教育は
徹底してやっていかないといけません。

それを肝に銘じてください。

それではまた。

Posted in マーケティング理論, 接客力向上 | Tagged , , , ,