ラーメン居酒屋という発想では繁盛しない
先日、ある地方都市で
人通りの多い繁華街を歩いていたら
「ラーメン居酒屋」という看板を見かけました。
この看板を見た瞬間、
おそらく不振店だろうと思いました。
外から中を見たのですが、
やはりガラガラでした。
断言できます。
もうこのやり方では繁盛しません。
しかし、多くの飲食店はこの過ちを繰り返しています。
夜の集客が悪いから飲み動機をとりに行く。
これは安直な発想です。
しかし、これをすると、
専門性がぼけるから
魅力的に見えないんです。
上記の例で言えば、
ラーメン居酒屋ではなく、
もっととことん
ラーメンにフォーカスした方が良い。
その商圏内で唯一のスープを作り、
独自の麺を提供し、
チャーシューの肉質にこだわりをもち、
味付け玉子なども工夫する。
ラーメンに入っている一つ一つを
吟味、差別化する方向性です。
例えば、
私の好きなえびそば一幻では、
大量の甘えびの頭部をじっくり煮込んだえびスープ、
スープと相性の良い特注麺を2種類(太麺、細麺)、
味付けのアクセントとしてのえび風味の天かす、
風味が際だつえび粉、
自家製とろーり味付け玉子
など。
とことんラーメンにフォーカスすることで
独自のポジションを築き、
ブランド化に成功しています。
ラーメン店の夜の売上対策で
居酒屋化を中途半端にやってしまう。
これは今の時代
最もやってはいけないマーケティングです。
お店が少なかった20年、30年前なら通用したやり方でしょう。
これからは、
自店は昼よりなのか夜よりなのかをはっきりさせてください。
中途半端に居酒屋を付加しないでください。
一番商品を
とことん深堀りすれば
遠方からもお客様が来るようになります。
目指すべき方向性はこっちです。
私のクライアント先に
つくねやべん慶
というお店があります。
四国の松山の繁華街です。
立地は2等立地ですが、
月坪20万円以上を超える繁盛店です。
このお店のポイントは
ズバリこの屋号です!
焼鳥ではなく、「つくねや」なんです。
焼鳥屋は松山だけでも250店以上はあるそうです。
そこにまた後発で焼鳥を出しても特徴はでますか?
炭火焼鳥ももう当たり前です。
どこにでもあります。
しかし、「つくねや」はどうでしょうか?
この商圏内に「つくねや」はべん慶だけです。
だから、
そんなにつくねにこだわっているなら
一度行ってみるか。
となるのです。
実際のメニューは、
つくねが豊富な焼鳥居酒屋です。
他の焼鳥居酒屋で置いているメニューは
このべん慶でもおいています。
お店の見せ方が違うんですね。
焼鳥ではなく、つくねに特化。
この見せ方が興味をそそるのです。
もちろん、
つくねの配合や
ボリューム、食感、肉汁などの
商品力にはこだわっています。
メニューを広げたくなったら
一度立ち止まって下記の質問を
自問自答してください。
「これだけの店がある中で、本当にそれでお客様が呼べるのか?」
「一番商品をもっと深堀りすればポジションがとれるのではないか?」
⇒そういうお店が他にないかネットで探してみる。あれば見に行く。
是非これをやってみてください。
それではまた。
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