松屋が伸びている理由

松屋が伸びている理由

2020年1月29日

大手チェーン店で注目している会社は
あまり多くはないのですが、
松屋フーズさんは注目しています。

特にメインブランドである松屋は
お店に行くと、新しい挑戦もされていて、
それがなかなか時代を捉えていると感じています。

ホームページで調べると、
松屋フーズさんの既存店売上高は
6年連続で伸びています。

今年度も2019年3月~12月の既存店売上高は
昨対105.3%と良い数字です。

この5年では、
松のや(とんかつ店)が店舗数を増やしていて
2015年60店舗だったのが、今は196店舗にまで
増えています。

松のやのマーケティングも勉強になるので、
それはまた別の機会に書きたいと思います。

今日はメインブランドの松屋についてです。

松屋の取り組みでおもいしろいものとして、
まずは、新商品があります。

松屋の最近の新商品で、
「シュクメルリ鍋定食」というのがあります。

シュクメルリ????

名前だけでは何の料理かわかりませんよね。

これはジョージアの伝統料理みたいです。
鶏肉をガーリッククリームソースで煮込んだもので、
ちょっと特徴のあるシチューのような、
日本人にも食べやすい料理だと思います。

この着眼点おもしろいですね。

他社がまず間違いなくやらない新商品を
出してきて
これを食べてみてくださいとやっている。

しかも今「シュクメルリ鍋定食」を注文すれば
ライス大盛無料みたいです。

積極的に出数を出そうとしています!

他の牛丼チェーン店の新商品は、
うなぎやすき焼きなどの和食の範疇なんですね。

ジョージア料理といった
ある種ぶっ飛んだ発想がありません。

売れる売れないで言えば
うなぎやすき焼きなどの方がすぐ売れると思います。

しかし、自らマーケットを作っていく、
他社がやらないことに挑戦していく。
その部分で先駆者となる。
そういう視点で見たときに松屋のやっている
新商品は可能性を感じます。

松屋のおかげで
シュクメルリ鍋が日本で定着するかもしれません。

マーケットをつくっていく姿勢を感じます!

次に、
松屋が時代を捉えていると感じるのは、
「糖質制限」への対応力です。

松屋では、すべての定食のごはんを
プラス50円で湯豆腐に変更できます。

これをするだけで糖質は約90%オフになるそうです。

ごはんやパン、麺類などの糖質を多く含む食材が
太る要因になるというのは、
多くの日本人が知っています。

糖質制限をするなら
ごはんやパン、麺類を抜いたり、減らしたりするのは、
今最も浸透しているダイエット法ですよね。

そしてこの「糖質制限ダイエット」を
しっかりやっている人、
ゆるくやっている人、
少しでも意識している人を含めれば
あなたの周りにどれくらいの人がいるでしょうか?

少なくないのではないでしょうか。

「糖質制限」はもはや
一つの時流ではないかと思っています。

他の牛丼チェーン店でも
その対応はしていますが、
ライザップ牛丼や牛丼ライトなどの
決められた商品一つだけで、
毎日食べると飽きてくるんですね。

その点、松屋はすべての定食のごはんを
湯豆腐に変更できる。
ですから、おかずは10種類上のバリエーションを
楽しめます。

毎日でも飽きが来ないのです。

そして、松屋の凄さの3つ目は、
一部店舗で
「定食のごはんお替り無料」です。

これはチェーン店の中では、
やよい軒が先行してやっているサービスです。

やよい軒はごはんお替り無料というサービスを通じて
1000円以下で
満腹保証を売りにしてきた定食チェーンです。

それがここにきて、
松屋がそのマーケットに入ってきた。

しかも松屋はやよい軒よりも
単価がもう一段階安いですね。

やよい軒が800~1000円の定食に対して
松屋は600~800円。

一段階安い中でのごはんお替り無料です。

これは顧客が流れてもおかしくありません。

600~800円で満腹保証がついている松屋は、
やよい軒だけでなく、その他ランチ主体の
多くのチェーン店の脅威となるはずです。

果たしてこのサービスが全店規模になるのか。

今後の松屋の動向に注目です。

それではまた。

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