繁盛店のモノマネでは上手くいかない理由

繁盛店のモノマネでは上手くいかない理由

2017年2月23日

先日九州のあるお付き合い先の
郊外型ラーメン店経営者様から
「今、好調なので販促はしばらく
したくありません。」
と言われました。

そうです。

ある政策が予想以上の高反響で
客数、売上が伸びていたのです。

それはどんな政策だったのか?

正解は、「替玉一玉無料サービス」です。

何だ、そんなことか!
どこにでもありそうな政策だな
と思ったあなた!!

これには深い理由があるのです。

まずこのどこにでもありそうな
「替玉一玉無料サービス」ですが、
このお店の競合店にはありません。

つまり、この商圏では
他店と差別化できるサービスなのです。

このメルマガでも何度も書いていると思いますが、
活性化の本質は
“他店との差別化”です。

どこで差をつくるかが重要なのです。

東京では当たり前の政策でも
地方では当たり前ではありません。

そこをついた訳です。

2つ目の理由ですが、
ラーメンがちょっと高いのが
このお店の弱みだったというのがあります。

このお店の普通の豚骨らーめんは680円です。

この地域の相場から考えると100円くらい高いなと
思っていました。

そこで値下げをすると、客単価が下がり、
一時的に売上も下がる。

安直な値下げは売上を落としかねません。

そこで、客単価を下げずに
顧客満足度を高める最高の政策は何かを
考えた結果、
替玉一玉無料だったのです。

これでお客様の満足度は確実にアップします。
ちなみにこのお店の替玉一玉の原価は30円です。

100円値下げするよりは利益面で
考えてもよっぽど良いのです。

そして、3つ目の理由。

のぼりで集客できる政策であったことです。

店頭に10本以上のぼりを立ててもらいました。
替玉無料という文字で、
無料の部分を赤字にしてもらって
一目で目立つようにしました。

ロードサイド沿いで
「替玉無料」の文字が飛び込んでくる。

お腹を空かせたドライバーの興味を惹くはずです。

一回入ってみようかな。
店頭でそう思わせたら成功です。

それで新規客が獲得できる。

その結果、たった一つの政策で
客数、売上が伸び始めるのです。

最後4つ目の理由、
今のこのタイミングだからです。

数ある業績向上策の中から
今このタイミングで何をするのが
最高なのかは常に考えています。

今は価値の高いお店が勝つ時代だと私は思っています。

安いとか、高いとかではなく、
価値が高いかどうかです。

少し高くてもしっかり価値があれば
今の消費者はお値打ち感を感じて、
リピーターになります。

それを確信しています。

ですから、値下げはせずに価値を高めにいったのです。

3年くらい前なら違う政策を選んでいたと思います。
3年前ならアベノミクスの影響で株価が上がり、
せっかく外食するならご馳走というような風潮の中で
客単価が上がるようなご馳走商品の投入などを提案していたかもしれません。

今このご時世、このタイミングだから
替玉無料を選んだのです。

たかだかやったことは
替玉無料です。

しかし、その背景には、
単純ではない
いくつもの深い理由があるのです。

そこを理解しないと活性化は上手くいきません。

安直に繁盛店のモノマネをする
これでは、実は活性化はできない。

そのお店の立地や競合状況、客層、
コンセプト、タイミングなどを
しっかり理解した上で
最適な政策を選ぶことが結果になるのです。

是非、参考にしてみてください。

それではまた。

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